従業員を採用したときに必要な社会保険の手続きとは?

従業員を採用するときは、雇用契約書や労働条件通知書を整えるだけでなく、社会保険の手続きも確認する必要があります。

「採用したら、あとは給与を支払えばよい」と考えていると、健康保険や厚生年金保険の加入手続きが遅れ、従業員から「保険はどうなっていますか」と不安に思われることがあります。

入社時の手続きは従業員にとっては、安心して働き始めるための大切な準備です。最初の対応が丁寧であるほど、従業員も安心して新しい職場に入りやすくなります。

目次

採用時には社会保険の確認が必要

従業員を採用したときは、まず健康保険・厚生年金保険に加入する必要があるかを確認します。

社会保険というと、正社員だけが対象というイメージを持たれることもあります。しかし、パート・アルバイトであっても、勤務時間や勤務日数などの条件によっては加入対象になる場合があります。

そのため、「パートだから加入しなくてよい」「試用期間中だから手続きは不要」と決めつけるのではなく、実際の労働条件をもとに確認することが大切です。

社会保険の加入対象になる従業員とは

健康保険・厚生年金保険は、会社などの適用事業所で働く従業員について、一定の条件を満たす場合に加入が必要になります。

正社員のようにフルタイムで働く従業員は、基本的に加入対象になります。また、短時間勤務の従業員についても、会社の規模や労働時間、賃金などの条件によって、社会保険の対象になることがあります。

ここで大切なのは、雇用形態の名前だけで判断しないことです。「正社員」「契約社員」「パート」「アルバイト」といった呼び方ではなく、実際の働き方や契約内容を確認する必要があります。

提出する書類と期限

社会保険の加入対象となる従業員を採用した場合、会社は「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を日本年金機構へ提出します。

日本年金機構では、従業員が適用事業所に雇用され、健康保険・厚生年金保険に加入するときは、事業主が「被保険者資格取得届」を提出する必要があると案内しています。提出期限は、事実発生から5日以内です。

手続きが遅れると、従業員が医療機関を受診するときや、保険の確認が必要な場面で困ることがあります。採用が決まった段階で、必要な情報を早めに集めておくことが大切です。

また、初めて従業員を雇い、事業所として新たに健康保険・厚生年金保険の適用を受ける場合には、「新規適用届」の手続きが必要になることがあります。日本年金機構は、新規適用届についても、事実発生から5日以内に提出すると案内しています。

扶養家族がいる場合の確認

採用した従業員に扶養家族がいる場合は、被扶養者に関する手続きも確認する必要があります。

たとえば、配偶者や子どもを健康保険の扶養に入れたい場合には、収入状況や生計維持関係などを確認することになります。扶養に入れるかどうかは、本人の希望だけで決まるものではないため、必要書類を確認しながら進めることが大切です。

入社時には、氏名、住所、生年月日、マイナンバー、基礎年金番号などの情報も必要になります。扶養家族がいる場合は、家族の情報もあわせて確認しておくと、手続きをスムーズに進めやすくなります

次回は労災保険・雇用保険の手続きへ

今回は、従業員を採用したときに確認したい社会保険の手続きについて解説しました。

採用時には、健康保険・厚生年金保険だけでなく、労災保険や雇用保険についても確認が必要です。ただし、労災保険や雇用保険は、社会保険とは手続きの考え方が異なります。

特に労災保険は、従業員一人ひとりについて資格取得届を出すものではなく、原則として労働者を1人でも雇えば労働保険の手続きが必要になります。厚生労働省も、労働者を1人でも雇えば、原則として労働保険が適用されると案内しています。

次回は、従業員を採用したときに確認しておきたい、労災保険と雇用保険の基本手続きについて解説します。

採用時の手続きは、単なる事務作業ではありません。従業員が安心して働き始めるための土台であり、会社にとっても労務トラブルを防ぐための重要な準備です。SAFECORE社会保険労務士事務所では、中小企業の採用時手続きや労務管理の整備について、実情に合わせてサポートしています。

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