従業員を採用したときの社会保険手続き|加入対象・5日以内の届出【2026年】

社会保険の加入書類を確認する担当者の手元

従業員を採用したとき、健康保険・厚生年金保険の加入を「正社員か、パートか」という呼び方だけで判断していないでしょうか。

加入対象は、事業所の種類、正社員との労働時間・日数の比較、短時間労働者の要件によって決まります。試用期間中であることだけを理由に手続きを遅らせることもできません。

この記事では、2026年9月12日時点の制度と、2026年10月以降に予定される改正を分けて整理します。

目次

最初に、会社が適用事業所かを確認する

法人の事業所は、業種や従業員数にかかわらず、原則として健康保険・厚生年金保険の適用事業所です。個人事業所は、常時使用する人数と業種により強制適用かどうかが変わります。

初めて適用事業所となった場合は「新規適用届」を提出します。日本年金機構は、事実発生から5日以内の提出を案内しています。すでに適用事業所である会社が従業員を採用した場合は、通常、従業員ごとの資格取得手続きへ進みます。

採用した従業員が加入対象かを判定する

正社員と、正社員の4分の3以上働く従業員

正社員は原則として加入対象です。パート・アルバイトなどでも、1週の所定労働時間と1月の所定労働日数が、同じ事業所の通常の労働者の4分の3以上であれば加入対象になります。

4分の3未満の短時間労働者

4分の3基準を満たさない場合でも、2026年9月時点では、主に次の条件をすべて満たす短時間労働者は加入対象です。

  • 厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等で働いている
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 2か月を超えて雇用される見込みがある
  • 学生ではない(休学中・定時制・通信制など一部例外あり)
  • 所定内賃金が月額8万8,000円以上

要件の数え方や企業規模の判定は、厚生労働省「社会保険加入の要件」で確認できます。労使合意により任意で短時間労働者へ適用を広げている事業所もあります。

2026年10月以降の改正予定

2025年の年金制度改正により、短時間労働者の適用要件は段階的に変わります。

  • 賃金要件:月額8万8,000円以上という要件は、最低賃金の状況を踏まえ、2026年10月に撤廃予定です。
  • 企業規模要件:2027年10月から36人以上、2029年10月から21人以上、2032年10月から11人以上へ段階的に拡大し、2035年10月に撤廃されます。

2026年9月時点では、賃金要件は形式上残っています。施行日前後の資格取得日は、厚生労働省「被用者保険の適用拡大」と日本年金機構の最新案内で確認してください。

資格取得届は原則5日以内

加入対象者を採用したときは、事業主が「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を日本年金機構へ提出します。提出時期は事実発生から5日以内です。電子申請、郵送、窓口持参の方法があります。

日本年金機構「就職したときの資格取得手続き」では、本人確認や届出方法も案内されています。

「保険証ができるまで待つ」のではなく、資格取得日から加入関係が始まります。手続きが遅れた場合でも、要件を満たしていた期間が加入不要になるわけではありません。

採用時に確認する情報

  • 氏名、生年月日、住所
  • 個人番号または基礎年金番号
  • 資格取得日
  • 報酬月額(基本給だけでなく、通勤手当などを含む報酬)
  • 週の所定労働時間、月の所定労働日数、契約期間
  • 被扶養者の有無と、生計維持・収入等の確認資料

個人番号を扱うため、収集目的、保管場所、閲覧できる担当者、廃棄方法も決めておきます。

扶養家族がいる場合

協会けんぽの被保険者に被扶養者がいる場合は、原則として事業主を経由して「健康保険 被扶養者(異動)届」を提出します。被扶養配偶者が20歳以上60歳未満で要件を満たす場合は、国民年金第3号被保険者関係届も一体で行います。

扶養認定は、本人の希望だけでは決まりません。続柄、国内居住、生計維持、年間収入などを確認します。日本年金機構の被扶養者の手続き案内で必要書類を確認してください。

採用時の社会保険チェックリスト

  1. 事業所が強制適用・任意適用のどちらかを確認した
  2. 4分の3基準と短時間労働者の要件を順番に判定した
  3. 試用期間を理由に加入を遅らせていない
  4. 資格取得日と報酬月額を正しく確認した
  5. 被扶養者の希望と必要書類を早めに案内した
  6. 5日以内に提出できる社内の担当と流れを決めた
  7. 2026年10月以降の改正情報を確認した

労災保険・雇用保険は加入対象と届出先が異なります。続けて採用時の労災保険・雇用保険手続きをご覧ください。

セーフコア社会保険労務士事務所では、加入判定、資格取得届、被扶養者届、入社書類の整備を一つの流れで支援します。

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参考資料

制度・資料の確認日:2026年9月12日。2026年10月施行予定の内容は、公開時点の厚生労働省資料に基づきます。資格取得日や個別の加入判定は、最新情報と実際の契約内容を確認してください。

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